読書

「背中あわせのハート・ブレイク」小林信彦 新潮文庫

お気に入りの一冊で保存用に文庫版を買っておく。1950年代が背景の高校生・隆と 混血の美少女ケイとの初恋物語。もともとは「世間知らず」というタイトルで出た単行本が 文庫化の際「背中あわせのハート・ブレイク」と変えられた。単行本の装丁とタイトルは …

「1日1時間 1週間でわかる図解日本史」楠木誠一郎 二見書房

いくらなんでもこれじゃいかん、ってわけでお勉強用に。著者は歴史ミステリーも書いてる 人だな。「明治必殺」という作品を読んだことがある。

「チョコレート工場の秘密」「ガラスの大エレベーター」ロアルド・ダール 評論社

映画を観た機会に原作「チョコレート工場の秘密」を再読。「ガラスの大エレベーター」は 「チョコレート工場の秘密」の続編で初めて読んだ。どちらも田村隆一訳で出ていたものが 柳瀬尚紀の新訳になって最近出たもの。「チョコレート工場」の方は登場人物の…

「親切なクムジャさん SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE」大石圭 角川ホラー文庫

パク・チャヌク監督の韓国映画をノベライズしたもの。13年間、無実の罪で収監された 女性の復讐行。誰に対しても優しく振る舞い、聖母のように美しいクムジャという女性を 彼女に関わった多くの人々の証言から描くのは小説ならではの表現で、小説化する際に …

「幽王伝 魔剣烈風篇」 菊地秀行 ハルキノベルス

約1年半ぶりのシリーズ第2作目。菊地秀行には「しびとの剣」「魔剣士」など 「生きる死人」との闘いを描いた一連の時代劇シリーズがあり、これも同じ世界観を背景に 描かれたもの。主人公が超人ではなく人間の剣士なので菊地秀行得意のホラーや奇想の 部分は…

「ねないこだれだ」せなけいこ 福音館書店

5分もかからずあっ、という間に読めてしまう絵本。表紙のお化けが愛嬌あるので立ち読み したら異様に怖かった。幼い頃味わった夜の闇に何かいるんじゃないかって恐ろしさが よく出てるなあ…。ラストのシュールさ救いの無さがたまりません。この本、けっこう …

「柳生薔薇剣」荒山徹 朝日新聞社

「柳生の里」を見物しながら読もうと思い持っていった本だけど結局帰ってから筋肉痛に 悩まされつつ読んだ。柳生十兵衛の姉、柳生矩香が主人公。この女剣士が十兵衛よりも 強いわ凛として美しくかっこいい。背景のシチュエーション作りも上手いし剣戟場面は …

「天国からの道」 星新一 新潮文庫

星新一没後に出た単行本未収録の作品集「気まぐれスターダスト」を2分冊で再編集し 「天国からの道」「ふしぎな夢」として刊行。まずは「天国からの道」を読んでみる。 新旧の作品が一緒に収録されており巻末に初出が明記されてないのでよく判らないが デビ…

「未来獣ヴァイブ」山田正紀 ソノラマノベルズ

もともとのタイトルは「機械獣ヴァイブ」でソノラマ文庫から4巻まで刊行されそのまま 未完になっていた作品。なんと20年ぶりに一冊にまとまり完結。 タイトルも「未来獣ヴァイブ」に改められた。当時中学生だったおれはソノラマ文庫から 新刊で出るたび読ん…

「鬼平犯科帳」7〜9 池波正太郎 文春文庫

またしても放浪のお供はこのシリーズ。ここ数年の夏場は時代小説を読むことが多い。 「鬼平」は出てくる料理に季節感があって読んでるとお腹がすいてくるね。一話一話ちびり ちびりと読むも良し、エピソードが微妙に繋がっていくので続けて読んでも連続小説…

「鬼平犯科帳」1〜6 池波正太郎 文春文庫

ここしばらくずーっと「鬼平」シリーズを読んでいる。池波正太郎は前にもよく読んだ 時期があって「剣客商売」「仕掛人 藤枝梅安」等のシリーズは好きだったが「鬼平」は 最後にとっておこうと手を出さず、いつしか池波作品を読まなくなってしまった。 何を…

「重力ピエロ」伊坂幸太郎 新潮社

「死神の精度」が良かったので積読の「重力ピエロ」を読む。 この本は「小説、まだまだいけるじゃん!」という帯にあった編集者気迫のコピーに 釣られて買ったんだよな。連続放火事件の現場に残された謎のグラフティアートから真相を 追う父子三人の物語。ペ…

「震度0」横山秀夫 朝日新聞社

阪神大震災の朝に700㎞離れたN県警本部の警務部長、不破義仁が姿を消した。 謎の失踪を巡って巻き起こる県警幹部たちの虚々実々の駆け引きと情報戦。 横山秀夫を読むのは「半落ち」以来か。「半落ち」は妻を殺した警察官・梶をめぐって取調官、 弁護士、新聞…

「ファルマコンの蠱惑」山本タカト 河出書房新社

昨日の収穫本。最近はミステリーや時代小説等のカバーイラストに山本タカトの絵が 使われていて目を引かれるけど画集で見ると格別の味わい。匂いたつエロスに 引き込まれるね。ましておれが買ったのは著者署名入り、良い買い物をした。

「流れ星におねがい」森絵都 フォア文庫

小学四年生の桃子は運動が苦手なのに運動会のリレーの選手に選ばれ、じゃんけんにも 負けて選手をまとめるリーダーにまでされてしまう。他の3人は協力してくれないし 困った桃子はそんな悩みを用務員の仙さんに打ち明けるのだが…。1995年の作品で最近の 「い…

「死神の精度」伊坂幸太郎 文藝春秋

7日間、対象の人物を調査し「死」を実行するのに適しているかどうか判断し 報告する「死神」。その死神の一人である千葉。彼の視線から語られる6つの人間模様。 表題作は日本推理作家協会賞を短編部門で受賞している。 どの作品にも魅力的な謎があり、収録作…

「アイスウィンド・サーガ 〈3〉水晶の戦争」R.A.サルバトーレ アスキー/エンターブレイン刊

「魔法の水晶」編完結ということで大軍勢と悪魔を撃退し町に平和が戻る。 けれど序章が終わったてなもんで本当の大冒険がいよいよ始まる、てとこで また「つづく」。去年の10月に1巻読んでやっとかよ…。 最後まで付き合うから、もうちょっと刊行ペース早くし…

「乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル」牧野修 ソノラマ文庫

宇宙標準暦10414年。人類はもはや、宇宙の片隅に追いやられていた。 かつて、人類が惑星開発や病人介護のために造った「擬人種」に支配されていたのだ。 そんな中、辺境の惑星に住む敬虔な少女、ピュセルが「神」の啓示を受けた。 人類を解放せよ、と。少女…

「セシルの魔法の友だち」ポール・ギャリコ 福音館書店

おれは猫好きなんだけど、そのきっかけになった本がポール・ギャリコの「ジェニィ」。 白猫になってしまった少年と雌猫ジェニィの恋と冒険のお話で読み終わったその日から猫が 可愛く見えて仕方なくなってしまった。それから翻訳もあまりなく絶版の多いギャ…

「タフの方舟2 天の果実」ジョージ・R.R.マーティン ハヤカワ文庫

超巨大宇宙船〈方舟〉号を操り惑星環境改造を売る宇宙商人タフのシリーズ完結編。 前巻では帯で宣伝しているほどタフが「あこぎな商人」でもなく一本、筋の通った好印象を 受けたがこの巻収録の「魔獣売ります」「わが名はモーセ」を読むとタフの計算高く冷…

「世界最強虫王決定戦―カブトか?クワガタか?サソリか?オオムカデか?タランチュラか?」新堂冬樹&虫王運営委員会 晩声社

人類が求めて果たせなかった夢のリアルファイト!! 世界中から集結した虫たちが死力の限りをつくした 異種格闘技戦第一回!!果たして勝者は誰の手に!?カブトとクワガタはどっちが強いのだろう? サソリとタランチュラとオオムカデの毒虫の中で一番強いの…

「戦国自衛隊1549」福井晴敏 寺田克也・画 半村良原作 角川書店

陸上自衛隊で秘密裏に行われた人工磁場発生器の実験中、暴走事故が発生。的場一佐 率いる第三特別混成団は時空の振動によって戦国時代にタイムスリップしてしまう。 過去への干渉のためか虚数空間が現代の日本各地に出現し侵食を始める。防衛庁は 現代の消失…

「処刑列車」大石圭 角川ホラー文庫

朝のラッシュアワーを過ぎた頃、湘南ライナーが茅ヶ崎・平塚間の鉄橋で武器を持った グループに乗っ取られ突如停止。自らを「彼ら」と呼ぶ犯人グループは一部の乗客を 車両に監禁し次々に処刑を繰り返してゆく。パニック・サスペンス風の設定だが 犯人グルー…

「ミステリオーソ」「ハードボイルド」原籙 ハヤカワ文庫

1995年に単行本で刊行されたエッセイ集「ミステリオーソ」を増補し2分冊で文庫化した もの。元本は刊行時に買って読んでるけど同じ本を二度買わされたという気は全くしない。 巻末の「編集ノート」を見ても丁寧な作業をした上で文庫化されてるのがよく判る。…

「挑戦! 嵐の海底都市/脅威! 不死密売団」キャプテン・フューチャー全集2 エドモンド・ハミルトン 創元SF文庫

(創元SF文庫)" title="挑戦! 嵐の海底都市/脅威! 不死密売団 (創元SF文庫)" class="asin"> いまのところ、どのお話も大まかな筋書きは同じなんだけどキャプテン・フューチャーが 陥るあの手この手のピンチが面白いしどうやって脱出するのか?というあたりも…

「定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?」三戸祐子 新潮文庫

JR福知山線脱線事故が起こったのが4月25日、この本が文庫で発売されたのはほとんど 翌日だったと思う。とんでもないタイミングで出てしまったわけだが事故の背景を知るには 最適の一冊である。事故を起こした運転手が取り戻そうとした1分半の時間。たかが1分…

「いつかパラソルの下で」森絵都 角川書店

フリーターの柏原野々は一周忌を前にして事故死した父が生前隠し持っていた女性関係を 知る。事実を知った影響もあってか母は無気力に。あまりに潔癖で厳格な教育に嫌気が さし父に背を向けて生きようとしてきた野々。彼女は同じ思いを持つ兄と妹とともに父…

「追憶列車」多島斗志之 角川文庫

こちらは全5編の短編集。現在の主婦を主人公にした作品から順に海外や過去を舞台にした 作品に移行する構成が読みやすい。驚いたのはどの短編も最後に仕掛けに気付き感心 させられること。伏線があまりにさりげないからストーンと決められてしまう。文章や …

「CIA桂離宮作戦」多島斗志之 徳間文庫

極寒の地シベリアを肥沃な土地に改変するソ連の気象改造計画。情報を察知したCIAは 日本の内閣情報調査室とともにソ連国家計画委員会議長を来日中に誘拐し訊問する作戦を 立てる。作戦は京都の桂離宮において決行されるが…。もともとノベルズで刊行された 作…

「タフの方舟1 禍つ星」ジョージ・R.R.マーティン ハヤカワ文庫

超巨大宇宙船〈方舟〉号を操り惑星環境改造を売る宇宙商人、ハヴィランド・タフの活躍。 SFを読みたいという気持ちが久しぶりに燃え上がってきて新刊を買ってみたらいきなり こんな面白い作品にぶち当たるとはありがたい。「身の丈2メートル半、福禄寿と布袋…