「定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?」三戸祐子 新潮文庫

定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)
JR福知山線脱線事故が起こったのが4月25日、この本が文庫で発売されたのはほとんど
翌日だったと思う。とんでもないタイミングで出てしまったわけだが事故の背景を知るには
最適の一冊である。事故を起こした運転手が取り戻そうとした1分半の時間。たかが1分半と
思っていた時間がいかに運転士にとって大きなものだったのかが一読してよくわかった。
事故を視野に入れて出版されたものではないので帯の
「ぜひ電車の中で読んで下さい。本書の面白さが実感できます!」
「山手線の運転士は驚異の運転技術で遅れを取り戻す!」
といった文章がなんとも恐ろしいものに見えてしまう。先日、京都の古本市に向かう列車の
中で読み、どんどん混んでくるので奥に追いやられ気が付いたらなんと運転席の真後ろ。
ガラス越しに運転士の点呼を聞きながら読んでると乗り過ごしてしまった。そういうことも
あってもっといろんな感想が頭に残っているのだけれどニュースの映像がまだ生々しくて
言葉がまとまらない。