「親切なクムジャさん SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE」大石圭 角川ホラー文庫

親切なクムジャさん SYMPATHY FOR LADY VENGEANCE (角川ホラー文庫)復讐執行人 (角川ホラー文庫)
パク・チャヌク監督の韓国映画をノベライズしたもの。13年間、無実の罪で収監された
女性の復讐行。誰に対しても優しく振る舞い、聖母のように美しいクムジャという女性を
彼女に関わった多くの人々の証言から描くのは小説ならではの表現で、小説化する際に
大胆な作り変えをしていると思う。復讐、母性愛、猟奇殺人といった大石圭が好んで用いる
テーマがここにもあるしノベライズを自分の小説として仕上げようという意志が
オールド・ボーイ」と同様に素晴らしい。大石圭にはこの本より前にホラー文庫から同じ
復讐をテーマにした「復讐執行人」という作品がある。オリジナル作品だとあまりに情念が
ストレートに出過ぎてしまうのか「オールド・ボーイ」や「親切なクムジャさん」の方が
物語として面白く読めた。「復讐者の物語」が実は「被害者の物語」でもあるという趣向は
パク・チャヌク大石圭双方こだわりがあるようでこうなると映画もぜひ見たいところ。
親切なクムジャさん」公式サイト
http://kumuja-san.jp/
やけに重いのはなんとかならんもんか?予告編見るのも時間が掛かってしょうがない。