「恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! 」キャプテン・フューチャー全集1 エドモンド・ハミルトン 創元SF文庫

恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)
科学者にして太陽系最高の冒険家カーティス・ニュートンは自ら
キャプテン・フューチャー>と名乗り鋼鉄ロボット、合成人間、生きている脳の3人の
仲間とともに愛機<コメット号>を駆って太陽系の危機に立ち向かう。スペースオペラ
古典的名作として名高いシリーズ。子供の頃、NHKでアニメ化作品が毎週放映されていた。
確か「未来少年コナン」の後番組だったと思う。バタくさい雰囲気になじめず途中から
観なくなったので内容を忘れている。中学生になってSF小説にのめりこみ当時
ハヤカワ文庫で出ていたシリーズを手にする機会もあったのにイラストがアニメよりも
バタくさいアメコミ調で敬遠してしまった。今回の全集版は鶴田謙二のカバーイラストが
好みで初めて読んだわけだけど、これが抜群の面白さ!キャプテン・フューチャー
「太陽系の平和」のみが行動目的で迷いがない。迷いなさすぎで無鉄砲に敵の本拠地に
乗り込んではピンチに陥るのがご愛嬌、キャプテンを補佐するのが3人の仲間達
<フューチャーメン>で、彼らもキャプテンへの忠誠しか考えず行動、直線的で力強い
物語が展開する。やたら伝法に会話を訳した野田昌宏の文章が生きがよくて読み進むにつれ
キャラクターに親しみが増してくる。60年以上も前に書かれた小説なので太陽系それぞれの
惑星に都市があったり水星人、冥王星人とか出てくるのも懐かしいイメージ。背景を丁寧に
書き込んでるのでだんだん古さは感じなくなるしシチュエーションにSF的なアイデア
豊富に凝らされていて全く飽きない。推理小説的な趣向まで盛込まれていたのは
意外だった。今更ながらこのシリーズにはまったらしい、続刊も買ってきたよ。
しかし読んでるとアニメの主題歌甦ってくるんだから幼少期の刷り込みって凄いよな。