「ソウ―SAW」

SAW ソウ DTSエディション [DVD]
年末の忙しさも落着きお休みに入り、のんびり読みたかった本を消化したいと思ってます。
「ソウ」をシネ・リーブル梅田にて観賞。ジェームス・ワン監督リー・ワネル原案・出演。
ホラー映画なのでショッキングな演出も効果的に使われているがなによりも全編張詰めた
緊張感が只事ではなく観ている間、椅子に縛り付けられたように動けなくなってしまった。先に読んだノベライズでは脱出ゲームとしても犯人との知恵比べとしてもイージーな印象を
受けたのだが映画は小出しに回想場面で事実が明かされていくあたりの語りの上手さ、
(「レサボア・ドッグス」を思い出した)神経を逆撫でするような映像もあって余計なことを
考えさせない。終盤近く追いつめられ正気を失った登場人物の行動などまさに
「何よりも人間が怖い」という言葉がぴったりでショッキングなある真相が明かされ
絶望感に叩きこんだまま余韻なくエンディングを迎えてしまうのも恐ろしい。ミステリーの
要素も強い作品で普通に考えたら無理もあるのだが映像の力で強引にねじ伏せてしまう。
同様のゲームに巻き込まれた他の被害者を早回しで動きをコミカルに見せるえげつなさや
何度も画面に出てくる人形の不気味さは忘れられない。ビデオだったらこの緊張感に
耐えられず何度かテープを止めていたと思う。そんな意味でも劇場で観て良かった作品。
出てきたらなんだかヘトヘトになっていた。