「コラテラル」

コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
珍しく金曜の夜から出掛け朝まで飲み始発の地下鉄で居眠り。起きたら午前10時頃だった。
おれは谷町線何往復したんだよ!家には帰らず梅田のナビオTOHOブレックスで観賞。
マイケル・マン監督。ロサンゼルスのタクシードライバー、マックス
(ジェイミー・フォックス)はある晩、紳士風の男ヴィンセント(トム・クルーズ)に一夜の
ドライバーとして雇われる。しかしヴィンセントの正体は殺し屋だった。事実を知った
マックスはヴィンセントの「夜明けまでに5人の標的を殺さなければならない」という
任務に否応なく巻き込まれる。シンプルな登場人物の少ない映画だが意表を突いた展開が
次々と起こり先が読めずサスペンスフルである。迷いなく行動し非情なヴィンセントと
優柔不断だが好人物のマックスという対照的な2人の掘り下げも見事で後半、マックスが
人間的に大きく変化していくあたりはフォックスの好演もあって静かに熱いドラマを
生みだしている。マックスが「観察力に優れている」というのが強みになってくるのも
上手い。よく考えるとヴィンセントの行動はいきあたりばったりで衆目の場なのに
発砲したり凄腕の殺し屋にしたら無茶苦茶なんだがクルーズの簡潔でキビキビした動きの
おかげで観てる間は気にならない。この映画でもっとも忘れられないのはロサンゼルスの
夜景が美しく撮られていることで空撮で走るタクシーをとらえた映像には酔わされた。
おかげでトイレや喫煙で座席を立つことは一度もなくオープニングから予想だにしなかった
クライマックスに盛上がり迎えたラストシーンは地下鉄で居眠りを続けたおれにとっては
やるせないものだった。