「源にふれろ」ケム・ナン ハヤカワ・ミステリ文庫

源にふれろ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
なんと1986年に単行本が出て18年後に文庫化!
カリフォルニア育ちで18歳の少年アイクが、行方不明になった姉を探すため
ウェストコースト、ハティントン・ビーチにやってきた。姉と共に旅だったという
サーファーに近づくため、アイクも見よう見真似でサーフィンを始めるのだが…。


おれも確か10年以上前に読んだ本なのでかなりの内容を忘れているし、ミステリーの部分は
たいした事がなかった印象がある。しかし何よりもこの作品が素晴らしく未だ
忘れがたいものは「描写の豊穣さ、みずみずしさ」で、読んでる間おれはアイクに
なりきって初めて見る大人の世界におののき恋をしサーフボードに乗り波の上を
走っていた。色彩感溢れる成長物語であり小説を読む喜びに満ちた作品でこれは
「傑作」と言いきります。(もっと細かく書きたいのに忘れてる部分多すぎてもどかしい…)
文庫というかたちでまた本屋に並んだのも妙に嬉しくておれも近々読み直したいと思う。
今度もサーフボードが欲しくなるんだろうな。