「ダーク・タワー1 ガンスリンガー」 スティーブン・キング 新潮文庫

ダーク・タワー1 ガンスリンガー (新潮文庫)
全7部から成るダーク・ファンタジーの第一巻。6部まで新潮文庫版が翻訳刊行済み。
最終巻は今年の11月に出るようだ。キングによる前書きを読むと「指輪物語」に触発
されて書かれた作品であること。また映画「夕陽のガンマン」を観た影響から
西部劇的な舞台背景を持っていることが説明されている。本文に入ると序盤は確かに
ファンタジーというより西部劇。ハリウッド製のものではなくマカロニ・ウェスタン
空気。陰性の活劇で内容は暗く重い。後半はファンタジーの要素は大きくなり世界観が
見えてくるも一巻では主人公ローランドの過去や「暗黒の塔」が何かは謎のまま。
ほんのプロローグが終わったというところか。この暗いムードがえんえんと続くと
ちょっとつらいが続巻「運命の三人」に入ると不安は良い方に裏切られる。