「フライトプラン」

フライトプラン [DVD]

急死した夫の遺体を飛行機で運ぶカイル。しかし、一緒に乗ったはずの娘が、機内で行方不明に…。乗務員や他の客たちは、娘がいなかったと証言。乗客リストにも名前が残っておらず、娘の荷物も消えているという衝撃サスペンス。ジョディ・フォスターが、自分の記憶を信じ、必死に娘を探すカイルを演じる。
映画の前半は「結末がどうなるのか?」という謎に翻弄されるドキドキの展開。すべてはカイルの妄想かとも思わせるが、機内の怪しげな人物、乗務員の不可解な言動、さらに正体を隠して乗り込んでいる捜査官の存在や、ジョディの迫真演技で、謎は深まるばかり。結末については、観る人によって意見が分かれるかもしれない。

ロベルト・シュヴェンケ監督。大阪府立青少年会館文化ホールの産経洋画Cinema上映会
で観賞。ここまでお話がガタガタな映画をスクリーンで観るのも久しぶり。機内で子供
一人が消失する設定には密室推理の趣向がある。しかしジョディ演じる母親が精神的に
不安定で薬を常用しているとか航空機設計士で飛行機内部に詳しいだとかは事件が
起きる前に伏線を張っておくもんじゃあねぇか?後出しのジャンケンみたいにワンテンポ遅れたこじつけとしか思えない展開が淡々と続く。はっきり言ってこの作品、
「先が読めない」というより「先が読めるわけがない」
ずーっと夜の機内だから薄暗いし、画面に活気がない。主演ジョディ・フォスター
演技が屹立して異様にテンション高く、おかげでなんとか退屈せずに済むも演出との
温度差のみが冷たく伝わってくる。笑い飛ばして観ることすら出来やしない。娘が
消失するトリックがまず無理。犯人が立てた計画は偶然性に頼りすぎの思いつきで
無理。これを実行する神経が理解できない。ある程度まで成功してしまう展開がとても
信じられない。航空機設計士の癖に飛行機内を全力疾走し破壊行為に近い無茶苦茶を
したジョディ・フォスターが最後には真実を勝ち取る。ここだけは妙に納得。道理を
破って無理をごり押しした者勝ちだな、この映画。