「どうぶつ宝島」

「GyaO」で視聴。ロバート・Ｌ・スチーブンソンの海洋冒険小説「宝島」を大胆にアレンジ
した長編アニメーション。1971年の作品で一度だけテレビ放映を観ただけなのだがある程度
の内容は憶えていた。懐かしさから観てみたら記憶に残るのも当然のこと、べらぼうに
面白い！池田宏監督で作画監督は森康二、アイデア構成として宮崎駿が参加しており
画面からは宮崎駿監督作品と同じ匂いが感じられる。特に「天空の城ラピュタ」とは海と
空という舞台の違いはあれど、少年が宝の島をめぐって海賊たちと争奪戦を繰り広げる
という内容でよく似ている。「どうぶつ宝島」のジム少年と「ラピュタ」の主人公パズーは
服装までそっくりだ。跳んだり登ったり落ちそうになったりと縦のアクションがふんだんに
あり動きのギャグで笑わせ海賊船同士の砲撃戦まで盛り込んで78分がめまぐるしい。
中盤から登場するヒロイン、キャシーの活躍も颯爽たるものでクールで狡猾、二丁拳銃を
振り回し敏捷に動き海賊を翻弄する様は子供らしいキャラクターデザインとはうらはらに
セクシーである。海賊たちが動物を擬人化したキャラクターになっているのを見るに
低年齢層に向けて作られたのは明らかだが丁寧な作画や痛快なテンポには幼稚さがない。
よく出来た活劇映画の見本のような作品。「未来少年コナン」「カリオストロの城」そして
「天空の城ラピュタ」等、宮崎アニメの中でもロマン溢れる冒険ものがお好みなら存分に
堪能できる映画だと思います。