「めまい」

高所恐怖症のために刑事を辞めた男（ジェームズ・スチュワート）が、友人から妻（キム・ノヴァク）の監視を依頼される。やがて彼女は教会の鐘楼から飛び降りてしまうのだが、彼女を止めることのできなかった彼はそれがトラウマとなり、やがて街で彼女そっくりの女性と出会うが…。
サスペンス映画の名匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、高所恐怖症というモチーフや曲がりくねった道路などをとらえたキャメラワーク、またそっくりなふたりの女の登場などなど、ありとあらゆるところにめまいを感じさせる効果をもたらすという、映画ならではの仕掛けをフルに駆使した秀作中の秀作。

大阪ローカル局サンテレビの放映を観賞。中学生になったばかりの頃、日曜洋画劇場で
特集がありヒッチコック作品が何週間かまとめて放映されたことがある。この時、放送
された「知りすぎていた男」が最初に観たヒッチコック作品だった。これが面白かったので
次週に放映の「めまい」を観たらどうもつまらない。元刑事が妖艶な人妻に魅せられていく
危うさ、男女の感情の行き違いから生まれるサスペンスが中学生ではまだ理解出来なかった
ようだ。作品の肝を判ってないからつまらなくて当然である。今回の再見では鐘楼を
登っていくクライマックスが手に汗握るスリリングな画面に見えたし高所恐怖症も胸に
迫ってくる。