「ファミリー・プロット」

ファミリー・プロット [DVD]
大阪ローカル局サンテレビで放映があったので観賞。アルフレッド・ヒッチコック監督の
遺作で一度観ておきたかった。キャストも地味、画面に豪華さが感じられなくて
テレビ映画を観ているような印象。終わりの方も迫真のサスペンスで押してくるわけでも
なくサラリと決めてエンドマーク。「裏窓」「北北西に進路を取れ」といったベスト級の
作品にはどうしても見劣りする。それでも2時間きっちり楽しませてくれる内容は持った
作品で、ヒッチコック監督作の中では軽めの小品として愛すべき映画だろう。遺産相続の
ため人探しを頼まれたインチキ女霊媒師と運転手のカップル、宝石商実は連続誘拐犯の
夫婦、全く立場の違う二組の男女がある一点で関わりを持ってしまう。お互いの正体や
行動の目的を知らないまま誤解に誤解を重ね事態が混乱していく様はスリリングで時には
非常にコミカル。この辺の緩急の取り方はさすがヒッチコック、抜群に上手く最後まで
展開を読ませない。この作品女優ではカレン・ブラックに魅力は感じなかったけど
霊媒師役のバーバラ・ハリスはキュートでなかなか良かった。主演のブルース・ダーン
吹き替えが山田康雄、犯罪ものの映画なので「ルパン三世」を観てるような気分になった。