「ザ・リング」 プレミアムステージ フジテレビ

ザ・リング DTSスペシャル・エディション [DVD]
中田秀夫監督の「リング」ハリウッド・リメイク版、ゴア・ヴァービンスキー監督。
思ったよりオリジナルに忠実だったなあ。日本版が不条理なものを投げ出すような作り
だったのに対して合理的な説明をしており「呪いのビデオ」がどうして存在するのか?
という謎も映画を観ただけで判るようになっている。貞子(米版はサマラという少女に改変)
の出現場面もビデオに写っていた蝿が実体化する、という前振りをしているのが細かい。
そういう意味ではビデオの映像から真相を追う部分が日本版よりも面白く観れたんだけど
これがまるっきり怖くなくなってるんだよな。犠牲者の死に顔がミイラみたいな
特殊メイクで作り込んじゃうとかえって恐怖が半減するしサマラが出現するところは
はっきり顔が出ちゃうとね…。これはリメイク版の出来不出来の問題じゃなく日本と
アメリカの国民性の違いなのかなあ?もともと「リング」は今時に幽霊がドロドロと
出てくる、ていうのを堂々とやっちゃった映画で「ホラー」というより「怪談」と言った
方が近いと思う。白い着物で髪の長い女性が畳の上をズルズルと這ってくるなんて
日本人にとっては刷り込まれた怖さ、だもんね。日本的な「わびさび」からくる怖さより
はっきりした作りの方がアメリカ人としては怖いのかもしれないな。ナオミ・ワッツ演じる
ヒロインも松嶋菜々子より行動的で強い女性になっているのがいかにもハリウッド映画
らしい。やっぱりおれ「リング」では鈴木光司の原作小説が一番怖かったぜ。