「電車男」

電車内で暴れる中年男から若い女性を救った、ヲタク青年22歳。彼女いない歴＝年齢の
彼は電車で助けたその女性からお礼に高級ブランドのエルメスのティーカップをもらうも、
どうしていいかもわからない。そして、そのお礼のお礼に彼女をデートに誘うべくモテない
男達が集うインターネットサイトに助けを求める。 動物園前シネフェスタ4にて観賞。
村上正典監督。まさか＿|￣|○やキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!! といった
顔文字をスクリーンで観る日が来るとは思わなかったなあ…。大元のスレッドや本になった
「電車男」に関してはあまり思い入れもなく、どうでもいいとさえ思っているぐらいだが
映画は観てみると意外にも面白いものに仕上がっていた。登場人物を極端にデフォルメして
いるのが上手くはまっておりメリハリの効いたものになっている。特に電車男を演じる
山田孝之のオタクっぷりが見事で、終始落ち着かずはっきり言葉を話せない、服装が
お洒落になっても動きがぎごちないといった役作りがオーバーアクトすれすれでリアルさを
出している。「マトリックス」の薀蓄を語らせると急に元気になりスラスラ話し出す
ところなどちょいと身につまされた。原作じゃあまり好きになれなかったエルメス嬢も
中谷美紀があっさり演じてるので好印象。後半はいくらなんでも作りすぎなところもある
けれど恋愛に慣れてなく一人相撲取っちゃうって雰囲気は良く出てたんじゃないかな。
掲示板に書き込みをする人達のドラマも映像化されておりこの辺りも肌理が細かい。
一番気になっていたのは電車男を応援する掲示板の書き込みをどう映像化するんだろう？
という部分。これがなかなか上出来で、最後の告白場面の処理などはCGも駆使して面白い
映像になっている。実話を強調した本より、この映画はフィクションとして楽しく
観ることが出来たと思う。告白するときの「電車男」の言葉は映画オリジナルの部分に
ぐっときちゃったもんね。もしかしたら見逃したのかも知れないがエンドロールに
「２ちゃんねる」の文字は出てこない。エンドロールが終わってからのちょっとした
後日譚は余計だった気もする。もっとも本当の「電車男」にはもっとどうしょうもない
続きがあるんだけどさ。