「暗黒城の魔術師」ハービー・ブレナン 創土社

暗黒城の魔術師 (グレイルクエスト)
一昔前ゲームブックが大流行したことがあってスティーブ・ジャクソンの「ソーサリー」
シリーズはじめいろいろ楽しんだものだった。今考えたらRPGのはしりみたいなもので
ドラクエ等のコンピューターゲームが出てきてからは廃れてしまったけど創土社は当時の
ゲームブックの復刊に積極的で懐かしさもあり毎度の刊行を楽しみにしている。
そんな中の一冊が「暗黒城の魔術師」で魔術師にさらわれた王妃を奪還すべく本拠地の
暗黒城へ乗り込む、というもの。この本は最初の刊行時に軽く立読みした程度で、買って
プレイはしていない。当時の版元の二見書房にちょいと胡散臭いイメージがあったのと
(ブームに乗った粗悪品が多かったもんでね)イラストが鉛筆画のぼんやりした描線で
モンスターや怪人が心霊写真じみてて怖かったから当時はスルー。
で、実際遊んでみるとけっこう楽しい。糞真面目に攻略するようなものではなく著者に
おちょくられてるような内容でいきなり落し穴は開くわカマキリの大群に飛込むわ
ニワトリと戯れようとしたら獰猛な奴だったてんで突つかれるわでそりゃねぇぞっ!
フーゴ・ハル(何者だ?)によるイラストは今でも不気味で巨大なキャベツに目鼻がついた
野菜怪物の気持悪さがたまらん。こんなのに地下迷宮で遭遇したら卒倒もんだ。
今読むとこういう変なとこが面白いのだが高校生の頃のおれが二見版買ってやってたら
怒ってたかも。当時のおれは頭固かったもんな。今回この本をプレイするのに使った
サイコロは当時ゲームブックで遊ぶために買ったもの。また使うとは思わなかったよ。