「カンフーハッスル」

カンフーハッスル コレクターズ・エディション [DVD]
チャウ・シンチー監督・主演。天王寺アポロシネマ8にて日本語吹替版を観賞。
文化革命前の中国が舞台、といってもあっちの歴史はよくわからんから無国籍なムードに
感じられる。街では悪の組織、斧頭会が台頭する一方で豚小屋砦という名の巨大な
アパートに貧しい人がひしめきあって暮らしている。この猥雑なイメージは
千と千尋の神隠し」の油屋に似ていて豚小屋砦も湯婆婆に負けず劣らずのケチで豪快な
女家主が牛耳ってるのが面白い。このアパートが斧頭会から目を付けられ大群の悪党が
押し寄せられるのだがさっきまで陰で怯えていた中年親父達ががさっそうと立ち上がり、
たった3人で目を見張る動きと強さで撃退!うおおお、かっこいいっーーー!!!
と、思ってるのもつかの間もっと強い殺し屋が現れ大苦戦、ところが実は豚小屋砦には
もっともっと強い奴がいた!!さらに斧頭会はもっともっともっと強い奴を…
しまいには打撃で建物はひび割れジャンプで人間は空を雲すら越え舞い上がる。
まるで「ドラゴンボール」全編での強さのエスカレートをたった2時間で一気に
やっちゃってるような映画。コミカルな場面にしても煙を蹴立てて走れば物凄い勢いで車を
追い越したり蛇に噛まれれた唇はグローブのように腫れ上がったりで少年漫画みたいな
動きをCGを加えて人間がやってるのがなんともダイナミック。近所のおじさんおばさんが
実はむちゃくちゃ強かった!といったベタベタな展開が痛快でパンフによると10年20年以上
映画界を離れていた役者が演じていて見せ場をさらっていたというのも驚き。その分主演の
チャウ・シンチーが終盤近くまではコメディ・リリーフに甘んじてるのだけど最後には
「勇気と正義」を信じた主人公が勝利する。これも少年漫画の世界だなあ、場内の子供が
大受けするわけだね。お正月にぴったりのテンションの高いド派手な作品、堪能しました。