「SFシアター」藤子不二雄 双葉社アクション・コミックス

SFシアター (アクションコミックス)
子供の頃、「漫画の神様」といえば藤子不二雄で、おれにとって手塚治虫は神様が崇める
「さらに凄い神様」なんだろうなー、という人だったわけ。もちろん「リボンの騎士
ふしぎなメルモ」などアニメ作品は観ていた。「SFシアター」は藤子・F・不二雄
作品集だけど1988年発行の本なので著者名義は「藤子不二雄」のまま。この本も現在は
Fの名義でどこかのコミック文庫に収録されてるんじゃないかな。年齢層高目な雑誌に
発表されたものが多いためかたまにエロチックなジョークがあるのがむずかゆい。
児童漫画家というイメージもあるし、真面目な人が無理に下ネタ言ってるみたいなんだな。
しかし収録作中「倍速」は下ネタ落ちをスマートに決めていて見事。
「裏町裏通り名画館」は寂れた映画館で青年がバッタものの映画を見せられる話。
2本見せられる中、「スター・ウォーズ」のパロディ「ヌター・ウォーズ」が面白い。
田舎の惑星の純朴な青年が宇宙戦争に参加させられる破目になり愛国心に目覚め猛烈な
戦士となって特攻する、というものでこれってモロにポール・ヴァーホーヴェン監督の
スターシップ・トゥルーパーズ」じゃん!青年は観終わった後「なんだ…こりゃ」と
つぶやくが本当に「なんだ…こりゃ」な映画が後に大作として作られちゃったもんね。
「殺され屋」のみがノンSFでこれの落ちには見事に「やられた!」全11編、ドラえもん
出てこなくたって登場する便利な道具には大人になって携帯電話やインターネットが
普及した今でも「あんなこといいな、できたらいいな」って思ったりするわけです。