「ヴァン・ヘルシング」

ヴァン・ヘルシング [DVD]
スティーヴン・ソマーズ製作・脚本・監督ヒュー・ジャックマン主演、千日前セントラル
にて日本語吹替版を観賞。19世紀、ヨーロッパ。ローマ・バチカンの秘密組織の命を受け、
モンスターを狩る男ヴァン・ヘルシング。今回、彼の任務はドラキュラ伯爵を倒すこと。
ゴシックホラーの世界を背景にインディ・ジョーンズや007ばりの連続アクションで見せる
映画。特に007は冒頭の流れや秘密兵器が活躍するなど意識していることは間違いない。
吸血鬼だけでなく狼男、フランケンシュタインまで登場、それぞれの怪物の苦悩まで盛り
込まれている。特殊な知識が全く要らない映画だがホラー小説や映画好きならちょっと
嬉しくなるような部分もあるし細かいアイデアがたっぷり詰まっていてアクション場面も
工夫している。問題はあまりにも性急にアクション場面ばかりをつないでいく構成で
せっかくの設定や小技が上滑りしてしまうわけ。他のソマーズ監督作品「ザ・グリード
ハムナプトラ1、2」等にもいえることだけど個々のシークエンスを大事に育てないので
お話が一本の大きい流れとして盛上がらないところがある。ソマーズ作品、絶え間なく
見せ場があるのでテレビで観ると満足するのだが劇場だと少し損した気がするのはこの辺に
あると思う。今回も、十字架や杭が全く効かないドラキュラをどうやって倒すのか?という
魅力的な謎解きもあるのに生きてこないのが惜しい。ダークな雰囲気を出そうとしてるのか
暗い場面が多いのもなんだか判りづらい。あっ、という間の2時間で勢いあって楽しめる
映画ではあるんだけど。三人組の女吸血鬼は良かったなあ。ガーゴイルみたいな化物だが
人間の時は妖艶な美女で男を誘惑、杭を打たれるとしなびて灰になる。グロテスクのなかに
エロチシズムがあるというのはドキドキするね。