「荒野に獣慟哭す」(1) 原作 夢枕獏 漫画 伊藤勢 講談社マガジンZコミックス

荒野に獣 慟哭す(1) (マガジンZKC)荒野に獣慟哭す 完全版 (ジョイ・ノベルス)斬魔剣伝―完全版 (上) (ドラゴンコミックス)斬魔剣伝―完全版 (下) (ドラゴンコミックス)
タイトルに惹かれて手にした「斬魔剣伝」が抜群に面白くて好きになり伊藤勢
コミックスになった作品は全て読んだ。綿密で力のこもった絵、生き生きとした
キャラクター、アクション場面の躍動感が素晴らしくそうとうな実力を持った漫画家である
ことは間違いないと思う。「斬魔剣伝」は第一部が終ったところで未完、
(ほんと続きが気になってしょうがないところで終り、なんだぜぇ!)
リニューアル版の「羅ごう伝」が始まったので期待してたらなんといよいよこれから本題、
という単行本2巻までで打ち切りという憂き目が待っていた。今回の「荒野に獣慟哭す」、
原作は人間兵器に改造された御門周平の戦いを描く伝奇アクション。夢枕獏の作品としては
軽めでラストが尻つぼみな印象だった。それでも冒頭の疾走感は印象が強く漫画のほうも
いきなりアクションを叩きこみ原作に迫る勢い。少しずつキャラクターがコミカルに
なるのに違和感があるけどその辺は原作を消化するための軋みなのかもしれない。
(しかし…夢枕獏が登場人物として出てくるとはびっくり)伊藤勢も自分なりにアレンジ
する気は満々のようであとがきで述べてる「もうひとつのラストシーン」に大期待。
そこに辿りつくまでは中断せんでくれよな。