「ジョジョの奇妙な冒険Part4 ダイヤモンドは砕けない」荒木飛呂彦 集英社文庫コミック版

ジョジョの奇妙な冒険 28 Part4 ダイヤモンドは砕けない 11 (集英社文庫(コミック版))ジョジョの奇妙な冒険 29 Part4 ダイヤモンドは砕けない 12 (集英社文庫(コミック版))
「お前、今頃何の話を…!?」と思われるかも知れないがおれはこの作品文庫で追いかけて
いるんだよ。(ついでに言うと週刊少年ジャンプを今まで一度も買ったことがない)
一部二部三部ときて、この四部が最も好きな作品となった。舞台の杜王町に潜む殺人鬼を
追詰める、というストーリーラインがサイコスリラー調で好みだし炙り出してゆく過程にも推理小説的面白さがある。潜んでいるスタンド使いと戦うたびに場所や人が描かれ次第に
杜王町という街がリアルに立ちあがってくる構成がとてもいい。最も魅力的に感じたのは
殺人鬼、吉良吉影の悪役ぶりでシリーズ通して必ずしも強い敵ではないが狡猾で機転が利き
他人を踏み潰してでも生き延びようという意志の強さを持つ。「強すぎない敵」だから
最終決戦が一進一退を繰り返すチェスゲームのような知力戦となり息詰まる迫力。
シチュエーションが凝っていて物語に周到な伏線が張ってあったことにも愕然とする。
今回の主人公、東方仗助ともこれでお別れだけどPart5の文庫版刊行が待ち遠しいなあ。
それまでは「ダイヤモンドは砕けない」の章を読み返して楽しむとするか。