「えびボクサー」

マーク・ロック脚本・監督。掲示板の方で話題になってたのでビデオで観た。
挫折した元ボクサーの中年男ビルが２メートルの巨大えびをボクサーにしたてボクシングの
興業を仕掛けようとするお話。普通タイトルとこの物語を聞いただけで、どんな馬鹿げた
映画やら…と思ってしまうけど観ると意外や手堅く創られた作品。ビルとボクサーの少年、
その彼女(この子かわいい！)三人組の間抜けだけど一生懸命な奮闘ぶりがなんとも楽しく
特にビルのデリカシーに欠けうらぶれた描写が見事なユーモアを出している。で、肝心の
えびボクサーはどうかというと馬鹿でかい着ぐるみで唸り声を発してストローで
ずるするっと餌を食べるシュールさ。これが観てるうちになんとも可愛くなって
くるのだからまた不思議。くすくす笑ってるとクライマックスには感動的な展開があり
素敵な気持ちになってエンディング。まじめに「おれも何か夢を追いかけてみよう！」と
思ってしまった。見た目はいびつでも中にはジューシーな肉の詰まった本当に
「えび」のような映画だったよ…でもおれはえび食えないんだけどね。