「最低の小説」が持つ破壊力

Deep Love―アユの物語 完全版
Deep Love―アユの物語 完全版」
「読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド」(ロッキング・オン刊)で
大森望「今まで読んできたあらゆる小説の中でこれが最低」と発言していた本を
選んでみる。一体どんなにヒドい内容なのか?読み終わった今、猛烈な吐き気を堪え
この文章を打っています。脇腹の辺がキリキリ痛みます。本当です。
おれが今まで読んできた中でもこの本は最低でした。
とにかく性交の場面が多くあまりに汚らしい書きようで、読んでいて眼が穢れるような
気がした。小説の形すら出来てない文章でもってシャープペンで太ももを突き刺す、
飛び降り自殺があって脳みそが飛び散るだのエグいのなんの。もうエログロだ。
いちいち言葉の選び方がえげつないので気が滅入る。地の文でオヤジが、ババアが
どうしたなどと書いてあるのは殺伐として神経が削りとられる。菊川怜はこの本で
ピュアな愛に触れたらしい。おれはゾッとする冷酷さを感じてしまい恐ろしいのだが。
本を閉じて今、一人でいるのが辛い。なんなのだこの気持ちは。
本当に吐きそうなんだよ。