読書で体調を崩してしまった日

読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド
スティーヴン・キングの「ダーク・タワー」シリーズと「ザ・スタンド」、歯ごたえの
ありすぎる大作を平行して読むという無茶をしてファイナルファンタジーⅥをプレイ。
これにもはまってしまいこのゲームは以前やりこんだことがあるものの攻略法は大方
忘れてしまいなかなか終わらない。どれもこれも続きが気になる状態で困ってしまう。
「面白い」ものがありすぎてテンションが上がりすぎなのだ。きっと。
あえて「つまらない」小説を読んでテンションを下げてみるのというのはどうか。

「ダーク・タワー1 ガンスリンガー」 スティーブン・キング 新潮文庫

ダーク・タワー1 ガンスリンガー (新潮文庫)
全7部から成るダーク・ファンタジーの第一巻。6部まで新潮文庫版が翻訳刊行済み。
最終巻は今年の11月に出るようだ。キングによる前書きを読むと「指輪物語」に触発
されて書かれた作品であること。また映画「夕陽のガンマン」を観た影響から
西部劇的な舞台背景を持っていることが説明されている。本文に入ると序盤は確かに
ファンタジーというより西部劇。ハリウッド製のものではなくマカロニ・ウェスタン
空気。陰性の活劇で内容は暗く重い。後半はファンタジーの要素は大きくなり世界観が
見えてくるも一巻では主人公ローランドの過去や「暗黒の塔」が何かは謎のまま。
ほんのプロローグが終わったというところか。この暗いムードがえんえんと続くと
ちょっとつらいが続巻「運命の三人」に入ると不安は良い方に裏切られる。

「キャシャーン―ザ・ラスト・デイ・オン・アース」北条匠 集英社文庫

キャシャーン―ザ・ラスト・デイ・オン・アース

超大型ムービーの小説版!!
宇多田ヒカルのミュージックビデオでの評価が高い、紀里谷和明氏初監督映画の小説版。戦地で死亡したはずの主人公鉄也は、新造細胞によって生まれ変わり、悪の軍団との壮絶な戦いに身を投じた!

凝りすぎたヴィジュアルと持って回った演出のおかげで何が何だか理解できなかった
紀里谷監督の「CASSHERN」。小説版は、舞台背景や登場人物の内面が細かく描かれ
難解だった映画を理解するための副読本としてよく出来た内容を持っている。
…んなわけねぇだろっ!映画で判んなかったもんがさらに判らんようになるぞ、これ。
書き手の北条匠の筆力に問題があるのかそれとも紀里谷和明からおかしなところだけ
影響を受けてしまったのか全編ポエムのような文章で読んでいる方が恥ずかしいです。
背景になる近未来社会(…だよな?)の説明はランダムに出てくるし人物は性格外見共に
ろくな描写が無い。映画はイメージなのか回想なのか現実なのか区別の無い映像のせいで
混乱する。小説はどこで誰が何をやっているのか映像がない分、理解がしにくいわ
こっちはこっちで文章が自己陶酔していて読みにくいこと極まりない。

「戦いって?」「戦いだ」

「なぜ殺す!」「それがわたしの運命だからだ!」

台詞の飛躍っぷりが凄いですな。キャシャーンと最初に闘った敵人造人間サグレーは

「空…空が…綺麗…」

と言い残し幸せそうに息絶える、てぇのもよく判らん。名前のみで人物書き分けていて、
描写がないから唐突なんだよ。映画が「観客置いてぼり」だとすれば小説の方は
「読者置いてけぼり」。置いてけぼりの感覚だけが忠実に映像から文章に移植されて
いる困りものの内容。なんとか堪えて読みきると巻末にあるのが、紀里谷和明監督から
のメッセージ。中学生の作文のような反戦論があった上に

この映画には壁がありません。

とか書かれてると体温が上昇するってもんよ。直球勝負な意気込みは買えるし決して
「嫌いな映画」ではない。しかし芯にある反戦メッセージは幼稚すぎて共感出来ない。
独りよがりなケバケバしい映像をえんえんと観せられるのは苦痛だし筋書きや内容が
判りにくいのは観客側にとって「大きな壁」だと思う。それで「お互い理解しあおう」
「壁を取り払って見てほしい」という主張をされても気持ちが悪い。作品のテーマは
反戦であり、平和を訴えている。が、独善的な陶酔した映像で見せられるとわけが
判らないんだよ。「クールでスマートなものが好まれ」るのは「誰も傷つきたくない」
からじゃない。「クールでスマート」じゃないと伝わってこないんだよ。一方的な
表現の仕方をして相手には理解を求める。この態度は「平和」を産むのか「争い」を
産むのかどっちなんだ?…途中で小説版から離れ紀里谷監督の映画について語って
しまった。旬を過ぎた時期に、止せばいいのにわざわざノベライズを読んで文句を
ぶつぶつと垂れるおれも変なんだけどさ。

はてなダイアリー/はてなグループ接続障害

9/17の1:30頃より6:30頃まで約5時間にわたり、はてなダイアリーならびにはてなグループに接続できない障害が発生しておりました。

これは、データベースサーバーへの接続障害によるものでした。

長時間にわたりご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした。また、ご報告が遅れましたことをお詫び申し上げます。

昨夜更新が出来なくなったのはこれか。朝まで障害が続いたのなら諦めて寝て良かった。
電車男」の感想がやっと最後まで書けた。AAを貼ったところまでで止まってたから
恥ずかしかったぞ。

はてなダイアリーが重い

電車男のテレビ放映について書きかけのところでアクセスできなくなった。中途半端な
ところなので困る。続きは明日書くとするか。携帯から言い訳を書いてみたがこれ
反映すんのかね。

「電車男」土曜プレミアム フジテレビ

電車男 スタンダード・エディション [DVD]
劇場版「電車男」ついにテレビ放映!

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 * ※キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!※ *
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てなわけではてなダイアリーアスキーアート記法に対応したこともありテストを兼ね
珍しく大き目のAAを使ってみた。「電車男」は劇場に足を運んで観たしDVDで2度程
見直している。テレビ放映があったら2chの実況板が盛り上がるなと楽しみにしていた。
実際、実況板に行ってみると同じことを考えた人は大勢いたらしく書き込みの流れが
速くついていくだけで大変、満員電車に乗っているかのようだった。実況しながら
初見の人は相当しんどかっただろうな。ラストが夢オチかどうかで揉めていたのは
面白かった。エンドロール端折られて余韻がないとそう見えてしまうね。告白シーンになると
実況板でもキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!が乱舞する様子は、やはり見物でした。
映画が原作より好きなのは、エルメス(中谷美紀)が電車男の容姿の変化より人柄に
惹かれてたという部分。「姿形じゃない、優しさなんだ!」これは原作には無い主張で
上手く決まっていたと思うのですよ。

「人造人間キカイダー」石ノ森章太郎 秋田文庫

人造人間キカイダー (1) (秋田文庫)人造人間キカイダー (2) (秋田文庫)人造人間キカイダー (3) (秋田文庫)人造人間キカイダー (4) (秋田文庫)

特撮作品。プロフェッサー・ギル率いる悪の組織ダークと、光明寺博士によって製作された人造人間 キカイダー(人間型形態時はジロー)の戦いを描いている。原作は石ノ森章太郎

必殺技はデン・ジ・エンド。他の必殺技には大車輪投げなどがある。

愛車はサイドマシーン。時速300キロは出るそうである。

弱点は不完全な良心回路。プロフェッサー・ギルの笛の音が流れると悶絶して戦えなくなる。

ジローの特技として、バイク運転とアコースティックギター弾き。

実写版でも、ギターの音色を聞く事ができる。


ライバルとして、ハカイダーがいる。彼は拉致された光明寺博士の脳を移植したロボットサイボーグで、常にジローの前に立ちはだかる。その奇抜なデザインと美学から根強いファンが多い。

わー、懐かしい。原作漫画を買ったきっかけはこれだけのこと。子供の頃を思い出し
ながらのんびりページを繰ろうと思えば、流麗で美しい画面構成に乗せられて、あっ
という間に読んでしまった。考えると「仮面ライダー」や「ロボット刑事」も同じ
きっかけで大人になってから読み特撮番組とはまた違った面白さと深いテーマ性に
驚いたもんです。「人造人間キカイダー」にしても基本設定はテレビ版とほほ同じ。
メインの敵キャラまで石ノ森章太郎のデザインから作られてたことがよく判る。何故、
キカイダーのボディーは左右が非対称なのか必殺技デン・ジ・エンドは両腕をショート
させると磁力を帯びた高熱の電気メスになるとかは漫画読んでようやく知った。毎週、
一体ずつ敵を倒すフォーマットのテレビ番組と連載漫画では体質が全然別物だから
細かい相違点はいろいろとある。最も驚いたのは以下の設定だ。

実写版と原作者による漫画版では性格などが異なる。

 実写版では、良心回路が不完全なジローと異なり、心身ともに完全な正義感の強いロボット。良心回路の装備の有無は作中では言及されていない。この差は、拉致された敵研究所内で人目を忍んで作られたジローと異なり、完全な環境で製作された事が原因だろうか。

 漫画版ではジロー以前の試作品であるため、パワーは優れているが、良心回路が無く、判断力全般も大雑把で粗暴なきらいがある。

キカイダーの兄人造人間、キカイダー01は設定が全く逆だったのか。実はこのあたりの
設定の違いにテレビ番組には無い、原作漫画独自のテーマの深さがあるように思える。
不完全な良心回路を持ったためはジロー善悪の判断に悩まされ、変身したキカイダー
姿を醜い機械だと絶望している。襲い来る敵ロボットは自分で善悪の判断をする能力を
持たないだけ。本当の悪はロボットを操っている人間なのだ。戦うたびに命令を守る
しかない哀れなロボットを破壊することになりキカイダーの苦悩が深まっていく。
人造人間キカイダー01は良心回路が無いため戦闘力があっても幼児的な考え方しか
できない。女性型人造人間ビジンダーは同じ人造人間のジローを愛したことにより
苦悩することになる。戦いの中で人造人間たちは少しずつ「人間的」に成長をしていく
のだが「精神的」に人間になることが出来たのはキカイダー、ジローのみ。人間の脳を
移植され人間のずるさを持つハカイダーに打ち勝つのは完全な良心ではなかった。では
一体何か?そして善悪を越えて成さねばならないこととは?つまり「人間とは何か?」
「正義を行使する心の強さとは何なのだ?」この問いかけに対する切込みが深く現在
でも読むものの心に突き刺さってくる。全編ほとんどアクションシーンに関わらず、
これだけのテーマが伝わってくるのは素晴らしい。「悪の組織」を倒して大団円で終了
したテレビシリーズと比べると原作漫画のラストはあまりに苦い。ジローは人間の心を
持つことが出来たが「機械としての苦悩」が終わり新たな「人間としての苦悩」を
背負うことになるのだから。特撮番組の原作としてだけではなく広く読まれるべき
作品。もし人間性というものを見失って判らなくなるようなことがあったら一読される
のも良いかと思う。人によっては余計に激しく苦悩してしまうかもしれないけど、
それが「人間として生きている証拠」なんだよ。